家庭文庫からスタートした「東京子ども図書館」

「区境経由のブラブラ旅 その7」を巡っている際、「哲学堂公園」に接した「哲学堂通り」をさらに北上していくと、外観がとても素敵な「東京子ども図書館」を見つけました。「東京子ども図書館」は子どもの本と読書を専門とする公益財団法人の図書館です。

東京子ども図書館のエントランス

東京子ども図書館の全景。蔓薔薇が満開です

建物上部にある風見鶏

入り口看板

「東京子ども図書館」は、公益財団法人の私立図書館で、館内に入ると、広いホールが広がり、そして館内ホールの奥には、子どもさん用の「児童室」があります。館内は3層構造で、地下1階と地上が2階です。 

館内見取り図

以下は、公式サイトからの抜粋です
「1950年代から60年代にかけて都内4カ所ではじめられた『石井桃子のかつら文庫』、『土屋滋子のふたつの土屋児童文庫』、および『松岡享子の松の実文庫』を母体として1974年に設立。2010年に内閣総理大臣より認定され、公益財団法人になりました。
子どもたちへの直接サービスのほかに“子どもと本の世界で働くおとな”のために、資料室の運営、出版、講演・講座の開催、人材育成など、さまざまな活動を行っています。」

2020年1月時点で、児童室には絵本や児童書など約8,500冊の本が所蔵され、資料室にはさらに海外絵本や児童文学・研究書などを合わせて約19,000冊もの本が所蔵されています。

メインホール(写真撮影/池田写真工房)

そして館内の一角の玄関側には、「おはなしのへや」という特別の部屋があります。「おはなしのへや」と「児童室」とは、少し離れた場所にあります。この配置のことを理事長の張替恵子さんにお尋ねしたところ、特別の理由がありました。

それはまず、「日常とは隔絶された場所に「おはなしのへや」を作ろう」という意図が当初からあったそうです。そして、この「おはなしのへや」で繰り広げられる「おはなしのじかん」を魔法のような特別な時間とするため、子どもがふだん入りにくい場所に、またそこへ向かう過程もわくわくするような演出ができれば、との要望を建築家にお伝えしたそうです。その結果、画像のようなアーチ形の扉の煉瓦の部屋が完成したとのことです。こういったコンセプトの部屋は海外の子ども用の図書館ではかなり設置されており、ニューヨーク公共図書館も「児童室」から、「おはなしのへや」への入り口まではぐるっと巡るようなかたちになっているとのことです。

ここの「おはなしのへや」では、子供たちがストーリーテリングを聴くことができます。内部には暖炉が設置され、「ろうそくを乗せる台」と「小さな椅子」が置いてあります。子どもたちはその前に座布団を敷いて座ります。

「おはなしのへや」でお話を聞き入る子どもたち

ホール奥の「児童室」は、「円卓のコーナー」と「マットのコーナー」とがあり、好きな場所で自由に本を眺めることができます。また、児童室には正面のエントランスとは別に専用の入り口があります。児童室の本は、基本的には3歳から本を借りることができます。そしてこの本を借りるには、東京子ども図書館独特のルールがあります。

そのルールとは、「本を大切にする」「本を決められた日までに返す」等の5つの「きまり」を教えてもらい、その子がそれを守りますと約束することです。名簿に子どもたち自身がサインをしていますが、そのサインがかわいらしいこと!

サインをしたら今度は名前と年齢がかかれた「おなまえカード」を作ります。このカードは手作りで、とてもかわいらしいものです。そしてこのカードを見て、図書館の方々は利用する子どもの顔と名前を覚えることもできるのです。

児童室内部(円卓コーナー)奥の扉は児童室用入口

児童室内部(マットコーナー)

児童室用入口(外観)

★児童室について詳しくはコチラ

 

メインホールの二階は事務室と販売コーナーがあります。

毎年の年次報告とごあんないのパンフレット

また、 地下に降りると「資料室」があります。

以下公式サイトより。
『内外の児童図書や、児童文学関係の研究書など約19,000冊を備えた研究資料室です。 カーネギー賞、ニューベリー賞、ケイト・グリーナウェイ賞、コルデコット賞など、英米の児童図書賞の受賞作品(原書)のコレクションがあります。また、語り手のために、日本と世界の昔話集をそろえています。英国の先駆的児童図書館員アイリーン・コルウェル氏からの寄贈書コーナー(→アイリーン・コルウェル・コレクション)もあります。

閲覧、貸出のほか、文書、電話、ファックスによるレファレンスも受けています。読書相談、お話会や文庫運営などについてのご相談もお気軽にどうぞ。一部のレファレンスについては、調査費、資料作成費をいただく場合がございます。』

★資料室についての詳細はコチラ

資料室の昔話関連の本の本棚

懐かしい『アラビアンナイト』全集

装丁が異なる『グリム童話』の本が並んでます

アイリーン・コルウェル氏からの寄贈書コーナー

 

最後に地下の資料室の採光が素敵な閲覧テーブルの片隅にあった『かつら文庫』を開設された児童文学作家・翻訳家の石井桃子さんによるメッセージ”を添えさせていただきます。このメッセージ”は、杉並区立中央図書館で開催された「石井桃子展」に寄せた自筆色紙からの複写物で、現物は『杉並区立中央図書館』にあります。
『 子どもたちよ
 子ども時代をしっかりと
      たのしんでください
  おとなになってから  
  老人になってから
 あなたを支えてくれるのは
 子ども時代の「あなた」です。
              石井桃子 
              2001年7月18日 』

石井桃子さんのメッセージ

採光が素敵な閲覧テーブル

皆さんも小学校の図書館で、児童書を借りた思い出はきっとあるかと思います。その頃読んだ本を、大人になってから、再読すると、きっと不思議な発見があります。

この「東京子ども図書館」では、その頃の本に実際に出会うことができ、その素晴らしい発見が叶う場所です。お子さんは勿論ですが、お子さんのご両親、中学生、高校生、大学生、そして成人された皆さん、是非ともこの東京子ども図書館を訪れ、実際に小さいときに読んだ本を手にとって活字や挿絵を眺めてください。また、原書にも触れてみると、さらに素晴らしい世界が広がるかと思います。

レポーターは、Alohasnessでした。

 

公益財団法人 東京子ども図書館(Tokyo Children’s Library)
住所 東京都中野区江原町1-19-10
電話番号 03-3565-7711
Fax 03-3565-7712
開館時間
児童室:火・水・金13:00~17:00 土10:30~17:00
資料室:火・水・金10:00~17:00 土10:00~19:00
事務室:火~土10:00~17:00
※臨時休館等、詳しくは開館日カレンダーをご覧ください。
アクセス
・都営地下鉄大江戸線「新江古田駅」A1出口より、徒歩10分。
・JR中央線「中野駅」北口0番バス乗り場より関東バス(中12)「江古田駅行き」→「芳花園住宅」下車、徒歩3分。
・同1番バス乗り場 関東バス(中28)「江古田駅」行き→「江古田住宅」下車
(中27)「江古田の森」行き→「江古田住宅」下車
(中25)「練馬駅」行き→「江古田住宅」下車、いずれも徒歩5分。

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※掲載情報は全て記事取材当時のものです。