江戸時代生まれの”ちょんまげ”狛犬に守られた大和町八幡神社

本殿は昭和3年(1928年)完成の木造権現造

中野区の西の方にある大和町八幡神社は地域一帯の高台にあり、古くは戦の要衝となっていたようです。永承年間(1046〜1052年)、源義家が奥羽地方(現在の東北地方太平洋側)へ進軍する途中で陣地を作り岩清水八幡宮の遥拝所※を設けて戦勝祈願をし、天喜4年(1056年)、義家の武勇を慕う村人たちが遥拝所の跡に八幡神社を建立したと記録に残っています。
※遥拝所…遠く離れた場所から神仏を拝むための場所

その後、八幡神社には武将たちが祈願のために訪れ、太田道灌もこの神社に戦勝祈願をして戦に勝ったと伝えられています。

2020年の夏のお祭りは中止に。鳥居には「また来年」の提灯が灯りました

住宅が並ぶ大和町のほぼ中央に位置しており、旧大場村(現在の大和町、野方1丁目の一部、若宮1、2丁目の一部)の鎮守社として栄えた大和町八幡神社。八幡通りに接する鳥居から長い参道を通って出会う神殿は、昭和3年(1928年)に作られた木造権現造です。

本殿手前の狛犬は本殿よりも古く、江戸時代である文政13年(1830年)に作られたもの。

社会情勢を鑑み、狛犬もマスクをつけています

こちらの狛犬、実は頭のてっぺんに”ちょんまげ”を結っています。吽形はきりりとしたちょんまげ、阿形はふっくら丸髷。宮司さんは「江戸時代の生まれだからでしょうか」とのこと。当時を偲ばせるチャームポイントです。

頭のてっぺんにきりりとちょんまげを結っています

女性の丸髷を結った狛犬

静かな住宅街にある長い参道は高い木に囲まれ、風が通り抜けるのが心地よく、お散歩にもおすすめです。

こちらはちょんまげの無い狛犬。ずっと向こうに本殿があります。「中野大好きナカノさん」のポスターにもなった参道です

新しい盆踊り「DAIBON」

過去開催の様子(写真:吉崎貴幸氏)

古くから地域に根ざしてきた大和町八幡神社ですが、2016年から新しい試みを始めています。参加者が減りつつあった盆踊りを「大盆踊り会」としてアップデート。従来の盆踊りを生歌・生演奏にし、お祭りと親和性のあるミュージシャン・DJ・ダンサーといった面々が出演し、お祭りに彩りが加わりました。

過去開催の様子(写真:吉崎貴幸氏)

大盆踊り会は「DAIBON」の愛称で親しまれ、近年は地域住民以外の来場者も増えてきました。また、地元青年部がお神輿(みこし)やお囃子(はやし)を再興。「古くからあるものも新しいものも一緒に、老若男女が笑顔になれるお祭りでありたい」と神職さん。

お神輿の宮入り(写真:吉崎貴幸氏)

盆踊り会のほか、正月行事、節分、初午神事など年中行事も行っていますが、「行事がなくても、理由がなくてもいいんです。神社にいつでも立ち寄ってください」という言葉に、大和町八幡神社の大らかさを感じました。

乃木希典の書を元にした忠魂碑。署名は「希典」のみになっている

大和町八幡神社
所在地 中野区大和町2-30-3
アクセス 西武新宿線「野方駅」から徒歩10分

「DAIBON」公式サイトはこちら

※問い合わせ先の記載がない記事については、まるっと中野編集部までお問い合わせ下さい。
掲載場所近隣の区民の皆様に直接お問い合わせすることはご遠慮いただきますよう、お願い申し上げます。

※掲載情報は全て記事取材当時のものです。