【中野人インタビュー】ボブスレーJOC強化指定選手・伊藤隆太さん

氷上のF1「ボブスレー」は実は見どころいっぱい!

ボブスレーは氷のコースを流線型のそりで滑走する競技です。1924年の第1回大会から冬季オリンピックの正式種目に採用されていて、男子2人乗り・4人乗り、女子2人乗りの3種目があります。
全員でそりを押して加速をつけ、そこに飛び乗り、コースを滑りそのタイムを競い合いますが、ゴールするまでブレーキはかけず、時速120~150㎞ほどでコースを滑り抜ける迫力あるスポーツです。

日本ではあまり馴染みのないスポーツかもしれませんが、今月は日本オリンピック委員会オリンピック強化指定選手の伊藤隆太さんにボブスレーの見どころについて語ってもらいました。

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全日本選手権男子4人乗り。向かって右側が伊藤選手

最初にそりを押すところは見どころのひとつですね。選手が気合いを入れて、息を合わせて押していくところはパワフルで、スピード感もあります。それに乗り込み方も各国によって若干違います。また、各国の自作のそりなどもあり、形も違いますから、どんなそりに乗っているのかにも注目してみてください。

それと、迫力ある転倒も大きな見どころです。
選手からすればものすごく辛いところですが、なぜか転倒すると盛り上がります。“ボブスレー転倒”で検索すると、YouTubeでもクラッシュ集(bobsleigh crash)がたくさん出てきますが、シーズン近くなるとやはり見たくはないですね。だいたい時速120㎞ぐらいのスピードが出ているので、転倒すると氷に肩や背中を打ちつけるので打撲はもちろん、引きずられていくと途中から熱くなってヤケドもします。

次に注目してもらいたいのはそのスピード。画面の下にタイム表示が出ますが、一番速い選手を上回るとグリーン表示になります。でも壁にぶつかると二つ先のカーブあたりで赤表示になるんですね。ほんの少しぶつかる、つまりミスをすることでどれくらい減速してしまうのか、タイムにどのくらい影響が出るのかもぜひチェックしてみてください

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長野のコースで練習中の伊藤選手(手前)

「ボブスレーでは総重量が重ければ重いほど、加速度が上がり、スピードが出るようになります。ただ、二人乗りの場合は“そりと人間を合わせて390㎏まで”という上限ルールがあります。重いそりよりも軽いほうが初速が速くなるので、選手を重くしてそりを軽くすれば速く走れるようになります

前に乗る操縦者を“パイロット”、後ろはブレーキを引くので“ブレーカー”といいます。そりの中は小さなつり革くらいのハンドルと背もたれがあるだけで、抵抗をなくすために後ろの選手はなるべく小さくなって下を向かなくてはいけないので、前は全く見えていないんですよ」

コースは全長1200~1500m程度で、コースによってカーブの数も違うそうです。

「カーブは少なければ12ぐらい、多いと21もあります。適切な角度で入り、適切な角度で出るといったコース取りのすべてを繊細にイメージしておく必要があります。カーブではそりは上へ上へと上がろうとするので、ポジションの取り方がスピードにも影響することとなります」

 

目指すは2018年平昌オリンピック!

ドイツはBMW、イタリアはフェラーリ、イギリスはマクラーレンも開発に関わっていて、まるでF1のようなボブスレー。日本チームはドイツ製のそりを使っています。

「ボブスレーはヨーロッパではとても人気がありますが、日本では知名度が低いのが現状です。海外だとコースが身近にあるのですが、日本にあるコースは長野の山奥にあるものだけなので、なかなか皆さんの目に触れることはないんです。

そのため、なかなかスポンサーがつかず、選手のほとんどがアルバイトをしながら体を鍛えているのが現状です。僕もアルバイトをして、残りの時間でトレーニングをしています。遠征費を稼がないといけないので、ボブスレーだけに集中できないのが辛いところですね。ただ、うれしいことにサイトを立ち上げて応援してくる人たちもいます。

さらに、来年からは長野の練習場が冬は休止になり、夏だけになってしまいます。自国で滑れるのと滑れないのとは大違いです。大変な環境ではありますが、まずは平昌オリンピック出場を目指したいなと思っています。ただ、今回、男子チームは二人乗り1チームと決まっていてなかなか厳しい状況ですが、チャンスはあるので頑張ります。ぜひ応援をお願いします!」

 

お気に入りスポットは、都内とは思えない自然が広がる「哲学堂公園」

伊藤さんのお気に入りスポットは「哲学堂公園」です。

「1万7000坪もの広大な敷地に自然がいっぱいで、都内にいることをふと忘れてしまいそうになります。
特に気に入っているのが菖蒲池ですね。その名の通り、池畔に菖蒲が植えられていて、池の中には鯉やカメ、カルガモもいたりします。静かな雰囲気で気持ちを落ち着けてくれる場所です。桜の季節もきれいですよ」

哲学堂220140403

哲学堂公園
■住所:中野区松が丘1-34-28
■アクセス:西武新宿線「新井薬師前」駅徒歩12分/都営大江戸線「落合南長崎」駅徒歩13分
■開園時間:4月1日~9月30日は8:00~18:00/10月1日~3月31日は9:00~17:00
■HP:http://www.tetsugakudo.jp/top.htm

 

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今回の★なかの人
伊藤 隆太(いとう りゅうた)さん

1989年1月6日生まれ。中野区出身。大阪ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟所属。
日本、アメリカを拠点に活動中のボブスレー選手。中学校から11年間、陸上競技(110mH)を続け、世界を目指す。その後、ボブスレー競技に挑戦し、2014年ソチ冬季五輪に向けて挑む。2014-2015オリンピック強化選手に認定。さらに2015-2016シーズンには日本代表としてヨーロッパの国際競技会に参加、世界進出と日本選手権「4人乗り」の初優勝を果たす。2018年平昌冬季五輪、さらにその先の2022年北京冬季五輪にむけてトレーニングを重ねている。

伊藤隆太を育てる会(support ryuta ito)
https://support-ryuta-ito.amebaownd.com/

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