【中野人インタビュー】東京飲料代表取締役社長・寺田龍さん

「東京飲料株式会社」は、昭和4年の創業以来、中野区新井でラムネを作り続けている老舗飲料メーカー。今回は代表取締役社長の寺田さんにお話を聞きました。

中野区限定「ナカボール」はキリンとのコラボ

「ナカボール」は、キリングループの中野区移転を記念して生まれた中野区限定カクテルです。「ジョニーウォーカー」を東京飲料の「トーイン・ハイ辛」で割ったもので、「中野区限定」ということもあって、人気を集めているのだとか。
どのようにして「ナカボール」は生まれたのでしょうか。

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「キリンさんが中野に移転してくる1年前に突然、“何か一緒に商品を開発しませんか?”という話が来ました。最初はウォッカをサイダーで割ってみようと思ったのですが、普通のカクテルになってしまい、これは“中野っぽくない”“パンチがない”ということで、ボツになりました。ところがキリンさんの社員の中にハイ辛を飲まれていた方がいて、これがいい!ということになり、いろんなお酒で割ってみたら、ウイスキーのジョニーウォーカーが一番合うことがわかったんです。こうして、ナカボールは生まれました。

ハイ辛の特徴はショウガの香りとトウガラシの辛味にあります。その尖った部分をウイスキーが持つまろやかさが、いい具合に丸くしてくれるんですね。飲み口もすっきりとしていて、本当にナカボールはおいしいですよ。

ハイ辛自体はキリンさんが越してくる前からあったものですが、実はこれを開発するまでには時間がかかりました。苦い飲み物といえばビール。甘い飲み物はジュースやサイダー。でも、辛い飲み物は聞いたことがない。辛いものが好きな人は多いので、辛い飲み物を作ってみようと思ったのがきっかけです。すぐに辛い香料を取り寄せたのですが、最初はラー油みたいなものしかなくて…トウガラシのエキスを探し出すまでに1年ぐらいかかりました。このエキスと出合えたおかげで、ハイ辛を作ることができました。

ネーミングは皆に飲んでもらって、酔ったときにアイデアを出してもらうことに。予想通りにいろんな名前が出てきました。チューハイの「ハイ」+「辛」いで、“ハイ辛”。ハイカラという言葉は昔からありますが、それをもじった“ハイ辛”に決めました。
もちろん、割らずにそのまま飲む人もいます。普通の炭酸水とは違い、口に入れた瞬間にショウガの爽やかな香りと酸味が、ノドの奥ではトウガラシのピリッとした辛さが味わえますよ」

ウイスキーが苦手な人でもおいしく飲めると好評の「ナカボール」、あなたもぜひ味わってみませんか。

ラムネはレモンベース、サイダーはりんごベース

子どもの頃よく飲んだラムネはどこか懐かしく、のんびりとした昭和の時代を思い出させてくれるもの。次に、中野の逸品グランプリで高評価獲得の「ラムネ屋さんのサイダー」について聞きました。

「私が子どもの頃はサイダーやラムネしかなかったのですが、徐々に海外から飲み物が入ってくるようになって、1985年頃にスプライトが安い、おいしいと大流行。それまでたくさんあった日本のサイダーメーカーさんが一気に減ってしまったんです。都内だけでも160社はあったと聞いています。その頃は、瓶を回収して飲み物を詰めてまた持って行くという、地産地消スタイル。回収するのに時間がかかるので、遠くまでは持っていけなかったんですね。

少し前には“地サイダー”ブームが来ました。要するにご当地サイダーのことで、地元企業が昔から作り続けているものから、地域の農産物や水を活用して開発したものなどいろいろあります。今では日本全国北から南まで、さまざまな地サイダーがあることが広く知られるようになりました。

昔は小さい飲料メーカーがたくさんあって、それぞれで独自にラムネやサイダーを作っていたんですが、今もラムネを作っているのはウチとあと2、3社ぐらいじゃないかな。“ラムネ屋さんのサイダー”は、残念なことに創業当時のレシピが残っていなかったので、当時の味を知る方の味覚を頼りに、試飲と改良を繰り返して出来上がったものなんです。だから、飲むとどこか懐かしい味がしますね。

また、ラムネとサイダーの違いをよく聞かれるのですが、ビー玉が瓶に入っているかいないかではなく、ベースの味が違っています。ラムネはレモレードのレモンベース、サイダーはシードルのりんごベースなんです。
今後もお客さんに喜んでもらえる商品を開発していこうと考えていますが、あせってやっても自己満足で終わってしまうだけなので、今、お客さんが何を求めているのかを知ることを大切にしたいですね」

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飲料ケースが積み上げられた工場内

お気に入りスポットは「たきび」のモデルの垣根

子どもの頃に歌った「たきび」の歌、覚えていますか?

この「かきねの かきねの まがりかど」のモデルとなった垣根が寺田さんのお気に入りスポットです。場所は西武新宿線新井薬師駅の南・上高田3丁目で、昭和50年頃「たきび」の作詞家・巽聖歌(たつみせいか)について研究していた童謡の研究家がこちらにたどり着き、区の教育委員会と共同で調査をした結果、歌中のモデル宅と認定され、「中野区認定観光資源」にも認定されています。

★詳しくはこちらをチェック
https://www.visit.city-tokyo-nakano.jp/category/nintei/nature/4624
http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/162500/d020495_d/fil/nintei201711.pdf

 

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寺田 龍(てらだ りょう)さん

東京飲料株式会社代表取締役社長
1971年1月25日生まれ。中野区出身。西東京市在住。高校卒業後、大阪の料理学校に進学し、六本木のフランス料理店に就職。シェフを目指していたが、バブル崩壊後断念。東洋大学に進学し、経済学部を卒業。4年間、金融業に勤めた後、東京飲料代表取締役社長に就任。

東京飲料株式会社
住所:東京都中野区新井4-8-7
ホームページ:http://www.tokyo-inryou.com/

 

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