【中野人インタビュー】パラリンピアン・大西瞳さん

公務員として区役所に勤務する傍ら、トップスプリンターとして競技に打ち込み、さらにNHK・Eテレの障害者のための情報バラエティー番組「バリバラ」のMCも務めているパラリンピアンの大西瞳さん。
生まれも育ちも中野区で、リオデジャネイロ・パラリンピックでは陸上女子走り幅跳びで6位に入賞した彼女に競技やこれからの目標についてお話を伺いました。

 

公務員、トップスプリンター、MCと多彩な顔を持つ

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「本当は週5日は練習したいのですが、普段は仕事をしているので、なかなかスケジュール通りにいかず最近は週4日くらい。1日の練習時間は2時間ほどです。月曜はウエイトトレーニング、火・水は走って、木曜は所属している〈スタートラインTOKYO〉の新人さんがと一緒に軽く体を動かし、金曜はお休み、そして土・日は走る…というスケジュール。ただ、最近は東京オリンピック開催のためにあちこちで改修工事が行われているため、練習する競技場が少なくなってきているので練習場を探すのもちょっと大変です」

 

義足になってしまった原因は“風邪”

「海外添乗員を目指してバス旅行の添乗員としてちょう仕事を始めた23歳の頃、風邪をこじらせてしまって。元々、熱には強い体質だったので無理をして仕事をしていたのですが、何かおかしいと思って病院に行ったら風邪だと言われて帰されたんです。でも、どうしても何か変なので次の日に行ったら、そのまま入院。風邪の菌が心臓に入ってしまう心筋炎にかかって、1カ月ほど意識不明になってしまって。結果、血流が滞って右足が壊死してしまったため大腿部から切断することになってしまいました。さらに心臓にはペースメーカーも入っています。ただの風邪で入院したのにこんな目に合うなんて思いもしませんでした。本当に風邪って怖い病気だなということを思い知りました」

 

中高時代の陸上経験を生かして、パラスポーツ競技の世界へ
目指すは2020年の東京パラリンピック代表

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試合前、ウォーミングアップ中の大西さん

義足での生活が始まり、とまどう大西さんに転機が訪れたのは、義肢装具士に誘われた切断者スポーツクラブ「ヘルスエンジェルス」への加入でした。それまでスポーツをすることから離れていた大西さんですが、小学生のときはサッカーを、中学・高校時代には中距離走をしていたこともあり、パラスポーツの競技者として一歩を踏み出します。そして2016年のリオデジャネイロ・パラリンピックには選手として参加し、6位入賞を果たします。

100m走で16秒90、幅跳びで3m64と毎年自己記録を更新し続けている大西さんの目標は、やはり2020年の東京パラリンピック! 「観客としてロンドンと北京のパラリンピックを観戦したのですが、会場の熱気がすごくて。観客の応援もすごかったし、すごく感激して。“私もこういう場所で競技したい!”と強く思いました。なので東京でのパラリンピックで活躍することが第一の目標! ただ、出場できるかどうかは直前の2020年6月まで決まらないので非常にドキドキ。たとえ今年すごくいい成績を残したとしても2020年シーズンににいい記録が出なければ落ちてしまう。代表になれるかどうかは直前の世界ランキングがどれだけ上位かにかかってくるので、がんばりたいと思います」

 

義足を知ってもらうことのキッカケとして、ファッションショーに参加

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全員義足のファッションショー(大西さんは左から2人目)

大西さんはMCを務めるNHK・Eテレの障害者のための情報バラエティー番組「バリバラ」に短いスカート姿で登場しています。実は義足モデルとしても活躍していて、2014年には写真家・越智貴雄さんの義足女性をモデルにした写真集「切断ヴィーナス」(白順社)にも参加し、大きな反響を呼びました。「一般の人が義足を見る機会はほとんどないので、“見て、知ってもらいたい”と思ったのがきっかけ。ただ世の中には私のように義足を見せたい人ばかりではありません。私も使い始めたころは、人に見られたくありませんでした。でも、陸上競技を再開したころから“義足ってカッコいい”と思い、だんだん見せたくなって、写真集でモデルをしたり、ファッションショーに参加することで、みなさんに義足を知ってもらいたいと思っています。

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大西さん愛用のハイビスカス柄の義足

「義足はピタッと合わないとうまく走れず、また体を鍛えて筋肉がついたり、太って足がむくんだりするとすぐに合わなくなってしまうので、作り替えるなどメンテナンスも必要です。でも私にとって義足はおしゃれのひとつとして大事なものでもあるので、今使っている物はハイビスカス柄にしてあります。機能面だけでなく、ファッション性もあるんだというのを、写真集やファッションショーで感じてもらいたいです」

3月18日(日)、中野四季の森公園で行われる「義足アスリート達によるファッションショー」に大西さんも出演。
ぜひ来場してみてください。

 

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今回の★なかの人

大西 瞳(おおにし ひとみ)さん

1976年中野区出身。バス旅行の添乗員をしていた2000年に、風邪がもとで心筋炎になり右大腿部を切断し、心臓にはペースメーカーを装着。その後、「義足のスプリンター」として陸上競技を始める。2016年リオデジャネイロ・パラリンピックの陸上女子走り幅跳びでは6位入賞。都内の区役所に勤務しながら、切断者スポーツクラブ「スタートラインTOKYO」のメンバーとして活動。NHK・Eテレのみんなのための情報バラエティー番組「バリバラ」の司会も務めている

 

チラシ(義足アスリート達によるファッションショー等)-1
「義足のアスリート達によるファッションショー」 ※入場無料
◆日時 2018年3月18日(日)12:30~14:30
◆会場 中野四季の森公園 北側拡張エリア(中野区中野4-12)
◆スケジュール
12:30~ 車いすバスケ体験会(小学校5年生以上)
13:45~ 義足のアスリート達によるファッションショー
◆問い合わせ スポーツ環境整備担当
TEL03-3228-8864

 

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