子どもたちは給食で何を食べている? 「第18回中野区学校給食展示会」

2019年11月28日(木)・29日(金)の2日間、中野区役所1階ロビーにて「第18回中野区学校給食展示会 東京の食文化~給食から地産地消・郷土料理を考える~」が開かれました。中野区が現在どのような学校給食への取り組みをしているか、ご存知でしょうか?

中野区役所1階ロビーで開かれた学校給食展示会

中野区立小中学校の学校給食に従事する方々で構成された中野区学校栄養士研究会では、様々な食育に取り組んでいます。2020年夏に「東京オリンピック・パラリンピック」が開催されますが、オリンピック・パラリンピック教育の一つに日本の伝統文化の継承があります。中野区学校栄養士研究会では、30年度・令和元年度の2年間「東京の食文化~給食から地産地消、郷土料理を考える~」をテーマに、子どもたちに学校給食を通して地域豊かな食文化を体験してもらおうという取り組みを行っているのです。

この地図は、給食で使われている東京産の食材がどの地域で作られているかを示したものです。小松菜、ねぎ、大根、白菜などの色んな種類の野菜や、梨などの果物、「トウキョウX」(豚肉)やたまごやくさやなど、こんなに多くの東京産食材があることに驚きました。会場には東京産食材を使った献立も展示されていました。

東京産の食材を使用した献立(牛乳、ごはん、東京湾ののりの佃煮、トビウオのメンチカツ、小松菜のおかか和え、東京野菜の味噌汁)

東京食材を存分に使った学校給食

こちらの小学校の和食献立には東京産食材がなんと65%も使われているのです。「東京牛乳」は主に多摩地域で放牧された牛の生乳から作られています。また三食そぼろごはんのたまごは町田市の「さくらたまご」、豚肉は東京特産のブランド豚「トウキョウX」が使われています。このブランド豚は飼育環境に厳しい規制があり、脂身の美味しさが特徴だそうです。

会場には東京都府中市で作られたオレンジブーケとブロッコリーがありましたよ♪

東京都府中市産のとれたてのオレンジブーケとブロッコリー

郷土料理を献立に取り入れた実物の給食も数点展示されていました。こちらは中野区の小学校で伊豆諸島の郷土料理が取り入れられたある日の給食です。八丈島の郷土料理である「ムロ節ごはん」は、くさやの原料になるムロアジを燻製にしたムロ節をちぎり、醤油をかけて蒸してからご飯に混ぜ作られています。ムロアジをミンチにしたものは「たたき」と呼ばれ、「たたき揚げ」は新島・式根島の郷土料理。明日葉やさつまいも、寒天の材料である天草も伊豆諸島の特産品です。
美味しそう♡子どもたちが学校給食で郷土料理を味わっているなんて!!

郷土料理を取り入れた小学校の給食(ムロ節ごはん、たたき揚げ、明日葉ののり和え、五目汁、いもようかん)

地産地消に力を入れている中野東中学校栄養教諭である二重作友美さんにお話を伺いました。

中野東中学校栄養教諭 二重作友美さん

「子どもたちには、給食を食べる前に今日使われている食材のどれが東京産かを伝えるようにしています。地域の食材を使うと、輸送時間が短いので新鮮な物を食べられますし、運転時間が短いから排気ガスも減らすことができエコにも繋がります。東京都の畑は住宅地に隣接しているので農薬を極力控えて使用する生産者の方が多いことから、より安心な食材を使えることなどの利点を伝えているんですよ」

地域で生産された農産物をその地域で消費する「地産地消」は、生産者と消費者との間に強い繋がりを築くことができます。東京都では子どもたちに食の大切さや食材について学べるように学校給食に地産地消を取り入れることを推奨しており、畑の少ない都心部の学校について平成29年度より東京産農産物の学校給食への導入や、生産者との交流を支援するモデル事業を開始しています。中野区は平成30年度にモデル地区に指定され、これにより子どもたちは学校で、生産者による授業を受けることができるようになったのです。

夏野菜の栽培の仕方を生産者に教わる子どもたち

普段食べている給食の食材を作っている生産者と会い、声を聞いて実際に教えて頂けるなんて素晴らしいですね。ある学校では、八丈島漁協女性部の「浜のかあさん」による出前授業が開かれ、トビウオ、ムロアジ、トミメの食べ比べが大好評だったそうです。

中野区立の学校で行われた「浜のかあさん」による出前授業

豊かな日本に生まれた子どもたち、食事は当たり前のことと思っているかもしれません。でも地産地消を給食に取り入れ、そこから生産者を身近に感じ学ぶことから、食材の背景を知り感謝の気持ちが湧くことと思います。「好き嫌いのある児童・生徒のほとんどが、なんとかそれを克服して給食を残さず食べれるようになりたいと思っているんですよ」と二重作さんは言います。食への興味や感謝から、そう思うようになったに違いありません。

私には小学生の子どもがおりますが、中野区の小中学校でこんなに素晴らしい給食への取り組みが行われていたとは、恥ずかしながら知りませんでした。家で改めて学校給食の献立や月に一度発行される食育だよりに目を通してみると「地場産物を食べよう」とあり、「さくらたまご」や「トウキョウX」についても記されておりました。自分の学校給食に関する理解の薄さを反省し、子どもと食事についてもっと話そうと思うきっかけを頂いた学校給食展示会でした。ありがとうございます。

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