正統スイス・ドイツ菓子の伝統を紡ぐ「こしもと」

区境経由のブラブラ旅 その8」終着点の「都立家政駅」の近くに、正統スイス・ドイツ菓子のお店「スイス・ドイツ菓子 こしもと (Konditorei Koshimoto)』があります。 

入口にあるお店看板のスカイブルーのシルエットはスイスの山を象徴しています。

「スイス・ドイツ菓子 こしもと」の看板

スイスのカウベルが下がった入口

このお店のオーナーシェフは腰本祐二さん。腰本さんは、日本のお菓子業界のレジェンド、“ドイツ人マイスター”ウォルフガング・ポール・ゴッツェ氏のお店「吉祥寺 スイス・ドイツ菓子ゴッツェ」(2003年3月31日閉店)でパティシェの修行をし、そこの最後のチーフを務められた方。師匠のマイスター・ゴッツェ氏からたくさんのレシピを受け継いだ愛弟子です。
師匠であるゴッツェ氏はドイツ・ベルリン生まれ。スイス各地の菓子店・ホテルにて修業の後、1970年に来日。1973年に東京に「コンデトライ・アカデミ」を設立するとともに、1978年には東京吉祥寺に「スイス・ドイツ菓子ゴッツェ」を開きました。ゴッツェ氏の著書「現代スイス菓子のすべて」(出版: 日本洋菓子協会連合会 (1976/09))は、1年6か月かけて製作された約500種類のお菓子が写真に収められており、40年前の日本のお菓子職人のバイブルでもあったそうです。

今回の取材ではその貴重な師匠の本を腰本さんが工房から持ってきてくださり、なんとお貸ししてくださいました。長年工房で読みこまれ、表紙は粉がついた「現代スイス菓子のすべて」のページをめくると、その巻頭に著者のことばとして「どうかこの本がいつも変わらぬ、またたのもしい伴侶として、日本のすべての同業者に価値あるサービスを与えるように祈るものです。自らの努力と能力を通して、我々の美しい、そして用途の多い、この菓子製造業という職業の中に、新しい道を切り開かれることをお祈りいたします。」とありました。その言葉のまま、その神髄を腰本シェフが受け継いでいます。

ゴッツェ氏の著書「現代スイス菓子のすべて」(日本洋菓子協会連合会)

店内正面の壁にはマイスターゴッツェ氏の写真

腰本さんに、あるとき師匠のゴッツェ氏から(自分を)洗礼名の「ポール」と呼ぶことを許されたそうですが、恐れ多くて以前と同様「ゴッツェさん」と呼んでいたそうです。

また、独立する際に店名も「ゴッツェ」を名乗ることも許されたそうですが、やはり恐れ多くて、マイスターゴッツェ氏の神髄の「スイス・ドイツ菓子」を店名に加えることにしたそうです。ちなみに店内のショーケースの上にある「KOSHIMOTO」のプレート、これはゴッツェ氏の奥様によるデザインによるものとのことです。

KOSHIMOTOのプレート

店内に入ると正面にケーキ用のショーケース、右側にはチョコレート用のショーケースがあり、どれも美味しそうで目移りします。

沢山のケーキが並んでいる店内正面のショーケース

チョコレート用のショーケース

苺のショートケーキ(左:4号/2300円、右:5号/2950円、共に税込)

エンガディーナ・ヌストルテ(左:1370円/税込)、リンツァートルテ(中央:1370円/税込)、レールケン(右:1850円/税込)

エンガディーナ・ヌストルテ(カット)(左:370円/税込)、リンツァートルテ(カット)(中央:370円/税込)、ヘルビッツァショコラ(カット)(右:410円/税込)

ゴッツェトルテ(420円/税込)

クリスマスの時期には「お菓子の家」(高さ32cm×横24cm)が販売されております。この「お菓子の家」の中にはミニシュトレンが入っているそうです。日持ちが良く、お菓子の家のお菓子は全て食べることができ、1か月後でも美味しくいただけるとのことです。取材した時にはもう売り切れていましたが、「シュトレン」は大(38cmの箱入り:6800円/税込)、小(28cmの箱入り:3600円/税込)がこちらもクリスマス時期限定であるとのこと。来年のクリスマスの時期が待ち遠しいです。なお、「お菓子の家」・「シュトレン」の予約は、夏の8月から受け付けているそうです。11月過ぎると連絡が集中し電話が繋がりにくいので、早目の予約が良いそうです。

 「お菓子の家(2019年のクリスマス時期に販売されていたもの)」(8640円/税込)

購入したリンツァートルテ(370円/税込)

購入したスフレスイス(410円/税込)

購入したケーキは自宅でいただきました。スフレスイスは、グリュイエールチーズの口どけ・口当たり良い、しっとりとしたケーキ。リンツァートルテは、シナモンやクローブなどのスパイスがしっかりと利いた様々な風味・食感が味わえるケーキで、スパイス入りのクッキー生地にアーモンドをペースト状にしたもの(スイス独特の製法)が入っていて、上にはサワーチェリージャムがのってます。ゴッツェ氏からスイス・ドイツ菓子の伝統が、腰本さんにしっかりと受け継がれております。因みに、これらのスパイスは、その風味が脳を刺激して勉強がはかどり、受験生にも人気とのことです。

また、腰本さんは師匠のマイ・ゴッツェ氏のお店が閉店した際、沢山のレシピや型をいただいたとのこと。店内にはそのお菓子の型が飾られ、今も現役として使っているそうです。

師匠から受け継いだお菓子の型

時々お客さんからも「マイスター・ゴッツェ氏から(見事に)“技術”を受け継いでいますね」と云われるそうです。ですが腰本さんは技術は当然ですがそれだけではなく、「お菓子は愛情を込めて作りなさい」と云われ、そしてお菓子は「美味しいもの」「健康なもの」そして「安全なもの」といった3つの“母心”も伝授されたとのことです。

とにかく様々な味が溢れる世の中になりましたが、腰本さんは40~50年前のスイス・ドイツの素朴なお菓子を作り続けているそうです。最近では70代や80代の、以前スイス・ドイツで暮らした方々が、「スパイスの使い方が懐かしい」とか「スイスの昔の味を思い出す」とかでリピートしてくださることが多いそうです。

皆さんも、「スイス・ドイツ菓子 こしもと」さんを訪れ、是非ともスイス・ドイツの昔風のスパイスの効いたケーキやプラリネをいただいてみてください。

レポーターは、Alohasnessでした。

 

スイス・ドイツ菓子 こしもと
住所 東京都中野区若宮3-39-13
電話番号  03-3330-9047
営業時間  10:00~20:00
定休日 毎週火曜日
駅からのアクセス 西武新宿線「都立家政駅」より徒歩5分(駅南口から南下し235m右側)

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