【中野の歴史-近世編9-】 江戸城に献上した変な品々


江戸城へ納めた品々(歴史民俗資料館に展示)

 

中野周辺の数十ヶ村から中野村名主堀江氏を触次役(周辺数十ヶ村の代表)として、様々な品々が江戸城に納められていました。

江戸城庭園、吹上御畑、本丸、西の丸と城内のほとんどの場所に納入しています。

それではいったいどんな品物だったのでしょうか。古文書記録では生きたコウモリ・生きたアカガエル・鈴虫・松虫・桜の葉・桃の葉・杉の葉・ゴボウの種・大根の種・ソラマメの種・泊り木などが知られています。コウモリ・アカガエルといった今ではゲテモノに属するものも含まれています。どんな使い方なのか興味深いところです。生きたコウモリは御製薬所に納入されましたので漢方薬の原料になりました。生きたアカガエルは表御膳所御用ですから将軍様の食事のおかずになりました。ゴボウの種・大根の種など御庭御用ですので城内菜園で用いられました。桃の葉は御風呂屋御用で風呂の入浴剤に使われ、皮膚病治療に効くと考えられていました。杉の葉は城内全体に用いられ、焚いて蚊よけに使用しました。鈴虫・松虫は奥・大奥の鑑賞用です。

天保8年(1837)12月の記録を見ると、生きたコウモリ89匹、生きたアカガエル8匹、桜の葉3,100枚、桃の葉1354把、杉の葉1,000把という。また、年代不明ですが、ある月に松虫154匹・鈴虫154匹を納入しています。意外な特産品があったのですね。

(中野区立歴史民俗資料館館長 比田井克仁)

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