【中野の歴史-近世編10-】 無形民俗文化財「江古田獅子舞」


上/「江古田獅子舞巡行絵巻」(中野区指定有形文化財)
中/四神・三匹獅子・花笠
下/演舞の情景(2012年中野サンプラザ前)

 

毎年、10月の第一日曜日には、江古田地域は獅子舞で盛り上がります。中野区指定無形民俗文化財「江古田獅子舞」は、皆さんが知っている一匹の獅子舞が各家を回り門付をするというものではありません。大獅子・中獅子・女獅子の3匹が舞う古式豊かなものです。

祭礼の日、江古田村第一の旧家である深野家から獅子舞行列が出発します。太鼓・神輿を先頭に、氏子の人々・宮司・山伏(ほら貝を吹く)・花笠4名と四神(方位をつかさどる青竜・白虎・朱雀・玄武)に囲まれた三匹の獅子・9名の笛方・花万灯・山車・太鼓などで総勢50名以上の華麗なものです。新青梅街道を西に向かい、江古田通りを右折して江古田氷川神社に向かいます。神社に到着すると社殿の前で神前の舞を奉納し、それから弘化4年(1847)建立の神楽殿(中野区指定有形文化財)前の土壇で「四方固めの舞」から「庭草の舞」まで9つほど演舞をします。終了は深夜に至り、再び深野家にもどります。舞は、ゆっくりながらも動作が大きく豪壮なもので、獅子舞を演じる人は大変な練習が必要なことがうかがえます。
この格式ある獅子舞は、鷹狩に訪れた3代将軍徳川家光や8代将軍徳川吉宗も上覧したと伝えられています。

江古田獅子舞行列を描いた江戸時代の絵巻物(中野区指定有形文化財・歴史民俗資料館保管)が伝わっており、現在もまったく同じ形であることがわかります。

(中野区立歴史民俗資料館館長 比田井克仁)

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