【中野人インタビュー】中野警察署長 天口真二氏

中野警察署長 天口真二氏

中野区の警察署の管轄は、JR中央線を挟んで北と南に大きく2つに分かれています。
北は野方警察署が、南は中野警察署が管轄していますが、その中野警察署が令和2年(2020年)11月7日に、前庁舎が建設された昭和56年(1981年)から約40年ぶりに新庁舎として生まれ変わりました。

 今回の中野人では、その中野警察署の署長、天口真二さんにお話を伺います。

約35年ぶりに帰ってきた中野

–昔、中野に住んでいたとのことですが

「実は平成13年(2001年)まで、中野四季の森公園の辺りには警視庁の警察学校と警察庁の警察大学校があったんです。警察官になった人はまずこの警察学校へ入校し、ここで一定期間研修をうけることになります。私も昭和60年(1985年)から昭和61年(1986年)までの1年間、警察学校入校にともないここ中野に住んでいました。」

–通いではなく住んでいたんですね

「警察寮というものがあって、みんなここに入ることになります。平成13年までに警視庁の警察官になった人は、過去中野に住んでいたことになりますね。」

–中野の思い出などはありますか

「実は警察学校の寮に入ると、基本的に平日は外出禁止なのです。ですから中野に住んでいたからといって、日々色々な場所に行っていたわけではありませんでした。でも外出が許可された週末は、毎週のように中野ブロードウェイに出かけていました。当時の中野ブロードウェイは実に様々な業態のお店が入っていて、厳しい研修期間の中でも楽しく息抜きができた場所としてすごく記憶に残っています。」

「それ以外にも、哲学堂公園も印象深いですね。実は入校して1週間後に、哲学堂公園までの往復マラソンを全員でするという恒例行事があったのですが、誰一人脱落することなく全員でゴールする必要がありました。そのため同期みんなで助け合いながら走りきるのですが、最後は在校生約1000人の先輩方が拍手で迎えてくれるんです。これもすごく記憶に残っていますね。このように研修期間は色々なことが凝縮された非常に濃い1年間でしたが、その舞台が中野でした。ですから中野に対しては感慨深い思いが今でもあります。」

現在の中野のまちへの印象

–現在の中野のまちへの印象はどうですか

「当時にくらべるとすっかり変わりましたね。現在のような『アニメ・サブカルの聖地』とは呼ばれていませんでしたし。ただ今の中野のまちも大変素晴らしいと思います。私は1年2ヶ月前に警視庁本部から赴任してきたばかりで、まちとの関わりはまだまだこれからなのですが、過去就任してきた7箇所とくらべても非常に魅力的なまちだと感じています。中野駅前や中野坂上周辺を中心としたまちの発展には驚かされているのですが、それでいて旧来の建物や文化財も残っており、住民感情もとてもあたたかい。」

「なによりお祭りにはびっくりしました。特に中野氷川神社例大祭はまさに町中あげての大イベント。現代ではお神輿の担ぎ手不足なども各地で問題になっている中で、ここではそういったことはない。住民みんながこぞって参加しているように見えます。それでいてルールやマナーが非常によく、お酒を飲んで御輿を担いだりといった問題行為もほとんど聞かない。あれだけ多くの人たちが参加しているのに、警察としては安心して見ていられるというのはすごいことですよね。住民全体の意識、団結力が高く、交通安全や防犯イベントに対しても、自分たちでちゃんとやろうという思いが非常に強いんです。」

中野のまちとの関わりについて

–そういったイベントの雑踏警備のほかにもまちとの関わりはありますか

「“交通安全運動”は残念ながら今年の春はコロナ禍の影響を考え特別なイベントはできませんでしたが、秋には警視庁音楽隊やカラーガード隊も交えパレードを行いました。“地域安全運動”については今年は野方警察署と協力し、Youtubeを使ってのオンラインイベント配信という中野では初めての試みに取り組みました。」

令和2年秋の交通安全運動の時の様子

「本来であれば住民のみなさんも含めてホール等に集まり、直接声を掛け合っていきたいという気持ちもあるのですが、オンライン配信ならではのメリットもあります。コロナ禍の状況でなかったとしても、特定の場所に集まって行うイベントでは情報の発信に限界があります。その点オンラインでは、動画を公開しておけば、いつでも誰でも見てくれる可能性があります。また、我々のようなその地域を管轄している警察署が発信している情報は、その地域に住んでいる住民にとって一番知りたい情報でもあると思います。家で誰か一人がそのコンテンツを見ていれば、他の家族の誰かが見てくれる可能性もあり、このようにして本当に伝えたい地域の人たちに大事な情報が伝わっていくのが理想ですね。」

「また“犯罪抑止メール”といった情報配信もやっています。これはどなたでも登録することができ、住んでいる地域の情報がリアルタイムで配信されます。自分にとって一番身近な情報がくるので、是非みなさんにもっと活用していただきたいですね。いずれにせよ、時代に合わせたやりかたも取り入れつつ、今後も住民とのつながりを継続的に取り組んで行きたいと思っています。」

–最後に地域のみなさんにむけてメッセージをお願いします

 「中野警察署新庁舎が完成し、5年間の仮庁舎から元々あった場所に戻ってきました。 やることの本質が変わったわけではありませんが、心機一転、安心・安全のシンボルタワーとしてまちを守っていきたいと考えています。」

 

【中野区のお気に入りスポット】
中野ブロードウェイ

「中野警察署に就任するにあたり34年ぶりに中野に住み始めたのですが、その中でもお気に入りスポットとして最初に思いつくのはやはり中野ブロードウェイですね。当時に比べると様子はだいぶ変わりましたが、今でもこの場所を訪れると当時のことを思い出します。厳しい訓練のなかで息抜きができた、ほっとする場所として今でもやっぱり好きな場所のひとつですね。」

 

★今回の中野人
天口 真二(あまぐち・しんじ)

昭和37年 山形県生まれ
昭和60年3月 警視庁に採用され、警察学校を卒業後、久松警察署を振り出しに各方面で勤務
深川警察署刑事組織犯罪対策課長、板橋警察署副署長、人身安全関連事案対策官などを歴任
令和元年9月から現職

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