【中野人インタビュー】実業桃光会桃園商店街 副会長 蟻塚 純氏

中野区の桃園地域とは中野駅南側を中心に、現在8町会で構成されている地域です。江戸時代、鷹狩りの地として中野にしばしば訪れていた8代将軍徳川吉宗が、現在の中野三丁目一帯の場所を大変気に入り、そこに紅白の桃を植えさせよと命じました。それが「桃園」の名前の由来と言われています。明治以降、この場所は宅地・商店街へと変わっていきましたが、今現在でも桃園という名称はあちこちで使われており、桃園通りに連なる桃園商店街にも引き継がれています。

今回の中野人は、その桃園商店街(実業桃光会桃園商店街)の副理事、蟻塚純さんにお話をうかがいました。

「古き良き」が残る桃園商店街

–蟻塚さんはここ中野が地元だと聞いていますが

「生まれも育ちも中野区中野で、38年中野で暮らしています。今経営している「roji  spice & ____(ロジスパイス&アンダーバー)」のこの場所は僕の実家だったんです。昔は桃園通りはもっと大きな商店街だったのですが、子どもの頃は商店街中を走り回っていましたよ(笑)」

–桃園商店街とはどのような場所でしょうか

「そうですね。今から30年ほど前(1990年頃)の桃園商店街はお肉屋さん、お魚屋さん、八百屋さんなど、いわゆる商店街らしいお店はなんでもありましたね。多くの商店が集まっていて、とても賑わいのある通りでした。あれから時が経って残念ながら商店街のお店もだいぶ減ってしまいましたが、当時の良さ、今で言う「古き良き」が今なお残っている場所だと思っています。」

–「古き良き」ですか。ところで、こちらの資料は?

「これは現会長にお借りしている、昔の桃園商店街に関する資料です。昭和52年ごろのものでしょうか。中には昭和54年発行の福引補助券なども残っているんですね。僕も子どもの頃は商店街で買い物をするともらえる福引券を使って、景品が当たっては喜んでいたことを今でも覚えています。そういえば、現金掴み取りとかもありましたよね。こんな夢みたいなものがあっていいのか!なんて子どもながらに思っていました(笑)。でも、いつの時代からか、今ではこういうものを見かけるのも少なくなってきました。実はこの資料をお借りしたのも、今一度昔のことを振り返って、何か今に活かせないかと思ったからなんです。」

「もともと僕は会社員をしていましたが、再開発が始まって変わりゆく中野のまちを見ていく中で、僕も何かしたいという思いが強くなりました。昔から“地元の仲間が集まるような場所を自分でつくってみたい”という思いもあったため、桃園にあった自宅を改装し、友人と一緒にスパイス料理専門店「roji  spice & ____」を立ち上げました。中野は“食”がとても充実しているまちでもありますし、そこの活性化になれば。今はご縁もあって、桃園商店街 副会長も務めさせていただいております。でも今はスタートラインであって、中野の活性化はまだまだこれからと思っているんです。そのためにもこれらの資料を見ながら勉強しているというわけです。」

–蟻塚さんにとっては新しい活性化のヒントになる資料なんですね

「ほんとに歴史だなあ、と思います。重みを感じますよ。」 

桃園商店街として取り組んでいきたいこと

「新型コロナウイルス感染症の影響によって、この辺りも一時期人が全然いなくなりました。まるでゴーストタウンのような…まちに“色がなくなった”という感じです。誰も経験したことがないような状況の中で、何かしなきゃと思いましたね。そこで、昔の資料などもヒントにいろいろなことを試しました。最初はオリジナルタオルを作成し、周りのお店に配ったりなど…。活気は絶対戻せる、という思いを捨てず周りを盛り上げようと必死でした。」

「でも、そのとき周りの皆さんと話し合ったり協力したりすることで、地元の結びつきの強さを再確認できたんです。大変な時だからこそ人と人が声をかけてあって、手助けをすることが増え、もっともっとお互いを知り、繋がりを深めるきっかけになったと思います。いいまちだな、とあらためて思いましたよ」

–ますます地元を好きになれたと

「でももちろん、活性化に向けて具体的なアクションを起こし続けていく必要があります。2021年に立ち上げた新地域ブランド“Momozono Craft(モモゾノクラフト)”は、こういった一連の動きの中から生まれたものです。新型コロナウイルス感染症の影響だけでなく、中野駅前の再開発に伴う人の流れなど、この界隈が今後大きく変わりゆくことは間違いありません。そのためにも、商店街全体をPRしていくための共有ブランドを作ろうと思いました。今までは同じ業種間でのみの連動が多かったのですが、それだけではダメだと感じ、商店街を面としたPR活動をしていこうと思ったんです」


–モモゾノクラフトについてお聞かせください

「モモゾノクラフトは、この地域で企画・制作された商品ブランドのことで、オリジナルロゴの入ったキャップTシャツ、桃の花を使ったハーバリウムやモモゾノコーラシロップなどがあります。モモゾノコーラシロップは、「roji spice & ____」考案の飲食店向け商品。数種類のスパイスとシトラスジュースをミックスし、桃園の地にちなんで桃の果汁を加え、ほんのり桃を感じるすっきりとした飲み口で、ここ桃園エリアでしか飲めないオリジナルクラフトコーラとなっています。このオリジナルコーラシロップは炭酸で割るだけでなく、お店ごとに特徴ある飲み方がされていますので、みなさんにいろいろ楽しんでもらいたいと思います」

「モモゾノクラフトは、今は桃園商店街を中心とした地域ブランドですが、中野2丁目や中央4〜5丁目などかつて桃園と呼ばれていた地域にも広げていきたいと考えています。また、桃園エリアだけにこだわらず、中野全体にも広がっていく動きになれば…。2021年の秋には都立家政にあるフタバフルーツさんとコラボして、オリジナルの「桃のビール」を作りました。これは福島の桃を使用しているのですが、そこから全国に繋がりがどんどん増えていくのも、いいですね」

–まずは桃園商店街をきっかけに活性化の輪を広げていきたい、と

「はい、そうです。まずは僕たちがいる地元の人たちへの感謝の還元が大事だと思います。そこが原点で、一番大事です。でもそういうプラスの動きは隣、また隣へ伝わり広がっていきますからね。まずはここ商店街から始めていきますよ。そして商店街と住民たちの距離をもっと近づけていきたいですね。イベントなんかもたくさんして。住民たちが心から自分の地元が好きになれるような場所にしていきたいです。あと、僕があくまで個人的にやりたいことは、他にもいっぱいあるんですけどね。Tシャツ専門ショップやりたいとか、もっともっと修行したいとか…。あ、でもモモゾノクラフト専門ショップをやるのはおもしろいかも。でも状況って、意外と少しのきっかけで流れが変わったりしますからね。いろいろなことを考えながら、先を見据えた活動に今後もどんどん取り組んでいきたいです」

–ありがとうございました!

 

 

【中野区のお気に入りスポット】
セントラルパーク

「子どもの頃からよく野球の練習で青春を過ごした場所です。中野の定番観光スポットとしても人気の場所ですよね。フェスタなどの大型イベントをはじめ、大規模災害時にも対応できる様に防災施設も備わっている公園で、とても広大な緑が心地よいです」

★今回の中野人
蟻塚 純(ありづか・じゅん)

1982 年 東京都中野区生まれ
2019年 桃園商店街エリアに「roji spice & ____」をオープン
2020年 桃園商店街 副会長に就任

 

★モモゾノクラフトについて詳しくはコチラ

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