【中野人インタビュー】野方商店街新興組合代表理事 榎本雅則氏

西武新宿線「野方駅」周辺に広がる「野方商店街」。野方駅周辺の5つの通りにある「野方駅前通共栄会」「野方本町通り商店会」「野方みつわ通り商店会」「野方ときわ通り商店会」「野方北原通親交会」が集まった商店街で、終戦直後の時代から、ここ野方エリアの人々の生活を支え続けてきました。

今回は野方商店街振興組合の代表理事を務める榎本雅則さんにお話を伺います。

野方商店街、65年の移り変わりを見て

–榎本さんは野方生まれ野方育ちと聞いています。

「はい、生粋の野方人です(笑)。今年で65歳となりますが、この65年間の野方のまちの移り変わりもこの目で見てきました。昔から野方駅周辺は、にぎやかでしたね。終戦直後、焼け残った土地に人と物が自然と集まり商流が生まれていったのですが、野方もそのひとつだったんです。それは、まるでアメ横のようでしたよ。1967年(昭和42年)にはスーパー長崎屋の東京進出第一号店が野方にできたこともあり、夕方の買い出しの時間帯ともなると多くの人が行き交って、自転車で通り抜けることもできないくらいの賑わいをみせていました。当時は、赤羽の方からバスで来る人もたくさんいたくらいです。人が多く来るので、安くて良い品が集まりやすく、人々の生活に根ざしたまちとして栄えていました」

–今も非常に多くのお店で賑わっていると思いますが

「野方周辺にあった6つの商店街がひとつにまとまって野方商店街となったのが1994年(平成6年)。今は5つの通り毎にある5つの商店街(野方駅前通共栄会、野方本町通り商店会、野方みつわ通り商店会、野方ときわ通り商店会、野方北原通親交会)から野方商店街はできています。組合主が約220、お店の数は320以上あるので、今でも十分賑やかな商店街だと思っていますよ。あと大型スーパーなどの展開で商店街というものが全国的に縮小傾向にある中、野方には大型店があまり存在しなかったのも、小型店舗が多く生き残れている理由の一つかもしれません。」

–中野区は商店街がどこもまだまだ元気な印象があります

「私も中野は商店街が元気だなあ、と思っています。中野のいいところでもありますよね。ショッピングに加えサブカルチャーなどの観光資源がある、JR中野駅前の『サンモール商店街』や『中野ブロードウェイ』などには、区外からの人の出入りが多いのに対し、野方商店街にはそういった観光資源がないんですよね。唯一ある観光名所らしいものといえば『笑い地蔵』。これは戦後の荒廃期に、人の心の平和とまちの発展を願い作られたものと聞いています。せっかくそんなものがあるのだから、“笑い”をテーマにまちを活性化できないかな、と常々思っているんです。そこで実施しているのが『ジョーク張り紙』。これは4月1日のエイプリルフールの日に、いろいろな『ジョーク』を書いた張り紙を店頭に貼るキャンペーンです。とある洋服店では『衣類の衣替えはできても旦那の衣替えはできません』、靴屋さんでは『有名な気象予報師が天気を予想するときに投げる当店の靴』など、自店の商品に絡めたユニークな作品を張り出します。」

2021年のジョーク張り紙(野方公式Youtubeチャンネルより)

「これには商店街各店が有志で参加してくれて、東京新聞の一面やNHKのニュース番組でも紹介されました。もともとは酒井区長と話しながら生まれた企画であったんですが、今年でもう6年目。色々な人に知ってもらえることは野方のまちの活性化につながるので、これからもこの“笑い”をテーマにまちを盛り上げていきたいと思っています。

“笑い”をテーマに野方のまちの活性化を

YouTube「I love 野方公式チャンネル」より

–榎本さんは他にもいろいろ活動されていますね

「いま力を入れてチャレンジしているのがYoutubeです。現在、新型コロナウイルス感染症の影響により、イベントができない・人が集められないといった状況です。でも何か発信していかなければいけない、まちの魅力を紹介していかなければいけない…そう思って私が立案しました。野方に関わりのある人達の協力を受け、半年ほど前から取り組んでいます。始めたばかりということもあり、まだまだな部分もありますが、動画をみて一人でも多くの人が笑顔になってくれると嬉しいですね」

「あと野方北町会館に毎月お笑い芸人を呼んでライブイベントを開催しています。漫才やコントだけでなく、お笑い芸人による『詐欺防止セミナー』や『防災セミナー』もやっています。笑いと絡めて楽しく学べる場を作っていきたいと考えています。今は感染予防対策をしっかり行う必要もあり、人数もかなり制限した上での開催なので、なかなか大々的なイベントにはできませんが…少しでもまちから笑顔を絶やさないように行動していきたいですね。」

–野方に対する強い愛が伝わってきます

「私はね、野方のまちが好きなんですよ。ふれあいのある、ぬくもりのある温かいまち。人同士がつながっているのを実感できるまちなんです。それをこれからもずっと維持していきたいと思っています。そのためにはやはりまちが元気であり続けなくてはいけない、人の流れを絶やしてはいけない…そう思って色々活動しています。生え抜きだからこその地元愛、こだわりってやつかもしれませんね(笑)野方タウンガイドの制作監修にも携わっていますよ。紙面に猫が登場しているのは、私が猫好きだからです(笑)」

野方タウンガイドパンフレット。榎本さんと愛猫も登場しています!

あふれる野方愛を後継者に

–榎本さんの中で、今後やっていきたい事などありますか?

「野方のまちの活性化に関する動きは続けていきたいと思っています。ただ、私もいつまでも最前線にいれるわけでもないので、アクティブに動ける後継者が欲しいと思っていますね。これは私だけでなく、商店街全体の課題でもあると思いますが、まちの元気を維持するには世代交代していく必要があります。私は縁あって現在野方商店街振興組合の代表理事を務めさせてもらってますが、新しいリーダーの育成も今後取り組んでいくべき仕事の一つだと思っています。中野はJR中野駅前の再開発もあって新しく生まれ変わろうとしています。我々も商店街も同じように、いいところは残しつつも、生まれ変わりながら進んでいかなければいけません。どのように変化していくか、楽しみです。」

–最後に記事を読んでいる皆さんへ一言お願いします

「野方はとても楽しいまちです。買い物以外にも楽しいお店がたくさんあり、“人との会話”が楽しめるのが特徴です。“野方の魅力”を味わいに、ぜひ来てみてください!」

 

【中野区のお気に入りスポット】
新井薬師 すし政

「野方商店街のお店ではないのですが…(笑)新井薬師にある「すし政」というお寿司屋さんがお気に入りです。美味しくてリーズナブル、マスターとの会話もおもしろくて、一度行ってみてもらいたいお店です」

お寿司、みそ汁、サラダ、茶わん蒸しがセットで800円(税込)のお得なランチセット

★今回の中野人
榎本 雅則(えのもと・まさのり)

1956年 中野区野方生まれ
2013年 野方商店街振興組合 代表理事 就任
2014年 中野区商店街連合会 副会長 就任

★野方商店街公式サイトはコチラ
★野方商店街公式YouTubeチャンネルはコチラ

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