プラモキープもできる、“ホビーバー”を探検!

 サンモールから、ふれあいロードに抜ける路地のビル3階に、そのバーはあります。看板には「3F」と書くべきところ、わざと「3倍」と間違えて「F」に修正しています。これはガンダムを観ている人にはすぐわかるシャレだそうです。
 さっそく、小さなエレベータに乗って、3階へ向かいます。今回は中野にオープンして5年、アニメ、特撮、プラモデル好きがあつまる「ホビーバー プロフェッサーTK」におじゃまします。

うーん、この看板。ロゴデザインがもうガンダムですね。

プラモデルがずらり。圧巻の「プロフェッサーTK」

  狭い店内はところ狭しと置かれたプラモデルでいっぱい。オープン間もない時間で、まだお客さんはいません。さっそく、奥に座る温厚そうな「プロフェッサーTK」こと、小山武史さんに話を伺いました。

オーナーのプロフェッサーTKこと、小山武史さん。きさくで話しやすい上、時折混じる福島弁がとても聞いていて心地いい。小学校の頃はリトルリーグにも所属する野球少年で、スワローズやマリーンズで活躍したギャオスこと内藤尚行氏は母方の従兄弟にあたるという

「30年勤めた会社を辞めたのを機に、このお店を始めました。昭和43年生まれなので、『機動戦士ガンダム』は小学校5年生のころ。当時からずっとガンプラ(ガンダムのプラモデル)は集めてました」

となにげに語る小山さんの後ろには古いガンプラの箱が山積みに。

  「これ、みんな当時のものですよ。40年前のまんま」

えーっ!?

  「最初に買ったのがこの『ザクレロ』です。小学校の時から、作るより買ってとっておくほうだったんで(笑)」

— それはコレクターの鑑ですね。しかしなんでまた最初にこのメカだったんでしょう。かなりのマニアでないとすぐに名前が出てこないのでは・・・。

これが「ザクレロ」だ!

 「放送では一瞬でやられたモビルアーマーですね。でも当時はあるものを買わなくてはいけない状態。欲しくなくても、次にいつ手に入るかわからなかったですから。僕は東京生まれなんですが、親が転勤族で小学校のころは福島にいまして、これも文房具屋さんみたいなところで買ったと思います」

 聞けば、初版(って言うんだそうです。プラモも)のガンプラは1つを除いてすべてお持ちとのこと。持っていないひとつは「初版のRX-78(ガンダム)」で、初版はビームサーベルが2本ついていて、ランドセル(背中のバックパックみたいな部分)に刺すと、ビーム部分がはみ出ちゃうので、切らないとカッコがつかなかったのですが、切っちゃうと今度は手に持たせられない、そこですぐに出た第二版では、ビームサーベルが4本入っていたそうです。
 そんなマニアックな話で盛り上がるのがこのバーの楽しいところ。この当時ものを見たくて来る人も多いそうです。

RRM リアル・ロボット・モデラーズ」設立

 福島で「RRMリアル・ロボット・モデラーズ」という、今では全国的に有名な模型サークルを立ち上げ、プロのモデラー(雑誌やプラモデルの箱などのためにプラモデルを作るプロ)も輩出したという小山さんは、ガンダムに限らず多方面にわたって知識が豊富。とはいえ店内にはやはり「ガンダム」関連メカが多いように思います。

 「ガンプラのすごいところは、当時から値上げしていないんですね」

え?当時の、ってまだ売っているんですか?

 「お台場のG-BASEとか、まだ買えるところはありますよ。おそらく今でも生産していてかつ価格据え置き、っていうのはガンプラだけだと思います。僕はマジンガーZやマクロスも好きで、そちらもたくさん持っているんですが、先日、マジンガーZの初期のプラモデルを永井豪展にお貸ししました」

 なるほど。そして、話題のプラモキープですが、これがそうですね?みなさんご自分で持ち込むわけですよね?それで、ここで作る。でもタイムチャージ(901000)があるのに、なぜわざわざここで作るんでしょうか?

ボトルキープならぬ、プラモキープ!

 「タイムチャージは4000円で打ち止めにしているんです(それって6時間分なので、さすがにそこまでいる人はいないかも)。それより常連さんはみんなで作るのが楽しいんじゃないでしょうか。最初はみんなでワイワイ話しながら作って、そのうち話のほうが盛り上がったり、アニソンカラオケ(これはチャージに含まれるので、考えようによってはカラオケBOXより安い)始めたりとかしてますね。だから、かなり放っとかれているプラモもあって、2年以上経ったものは『成仏』と言って、みんなで組み立てて、箱はたたんでしまっておきます」

「成仏」というわりには、ちゃんと組み立てて箱もたたんで捨てないでおくところがプロフェッサーの優しさです。

近隣や国内だけではなく、外国人のお客さんも多数来店。

 そのうち、お客さんもやってきました。最初のお二人は共に昭和30年代(僕と同じだ)生まれでお店の噂を聞きつけてやってきたという新規の方々。続いて小山さんと同年代の常連さんもやってきて、あっという間に(古い)アニメ話で盛り上がっています。
 最近ではやはり外国人のお客さんも多いとか。ただ、意外なのがアジア系のお客さんがほとんどいない、ということ。

お通しはこの駄菓子。チャージ1000円/90分で、アルコール800円、ノンアルコール500円均一。常連さんに女性も多く、自然と甘い飲み物が増えたそう

 「ヨーロッパの人が多い。常連さんにイギリス人の女の子もいますよ。次いで、カナダ、アメリカ、オーストラリア、ってとこですかね。こないだドバイの人も来られました。みなさん、ヨドバシの袋とかいっぱい持って、ガンプラに、筆に、塗料に、そのための買い物に日本に来た、って方も多いですね」

ふーむ ・・・。名所巡りとかでなく、決め打ちで遠い日本まで海外旅行に来る、というところは逆に旅行慣れしている感じがしますね

中野という街についての想い

 「バーでなくても、こういう、好きなことをみんなでワイワイ話せる大人の秘密基地のような場所が作りたいと思った時、東京ではあるべきと思っていましたが、中野はいくつかの候補の一つだったんです、たまたま縁があってここに出店しましたが、5年続けてこられたのは中野という街のおかげだと思います。中野で間違いなかった、と思いますし、ゆくゆくは、サブカルの街=中野といえば「プロフェッサーTK」だよね、って言われるようになりたいですね」

★お店について詳しくはコチラ

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