昔ながらの素材と作り方で和人形づくりを伝承、和人形・松村勢津子さん

髪型や着物など日本の伝統的な風俗を写した人形の「和人形」。そのルーツは、「はにわ」からとも言われています。その後、てるてるぼうずに着物を着せたような「天児」、赤い布で作った「猿ぼぼ」が人形の原型として、日本各地に残っています。また、市松人形に代表される抱き人形は、女の子の誕生やひなの節句などに贈られ、大切にされてきました。

市松人形の一番の特徴は、顔や手足が白くつやつやと美しい輝きの胡粉ぬりで仕上げられていること。木、張り子、桐のおがくずなどで、頭・胴・手足を作り、ガラスの目を入れ、細かく砕いたカキ殻を練った顔料の胡粉を何度も塗り重ねます。人形の表情や雰囲気を決めてしまう目を切り出す「開眼」作業が、一番大変だけれども楽しいそうです。頭を作るところから着物を着せるところまで、全部一人で作業し、育児や家事の合間をぬって和人形づくりに取り組み続けて、気がついたら40年。「これからも伝統や心意気。そういうものを大切にし、また少しでも伝えていければ」と話してくれました。

松村勢津子プロフィル
中野生まれ。趣味が高じて人形師職人の世界へ。

「中野区伝統工芸展」
伝統工芸展は区内在住の伝統工芸職人が匠の技を実演し、使う程に美しさと愛着の増す工芸品の魅力の数々を紹介する催しです。毎年6月上旬に開催されています。
「中野区伝統工芸保存会」は、中野区在住の伝統工芸職人の団体。長年、伝統の技術を守り続けてきた16業種26人の会員で構成されています。