東京の「粋」を表現する、東京手描友禅職人・熊澤吉治さん

さっぱりと粋な絵模様に気品が漂う東京手描友禅。構想・図案から、仕上げまで作者が一貫して行います。
古典柄をモチーフにした糸目友禅を得意とする熊澤さんの作品は、時代と着る人に合わせたモダンともいえるデザインが特徴です。
「最近は、絞りのように見える匹田糊(ひったのり)の技法に凝っています。匹田糊の中に色を挿したり、線だけで描いたり、自由に糊を置くなど、さまざまな方法を追求中です」
大きさ約3~5mmの匹田ひとつひとつに糊を置き、色を挿していく…。気が遠くなるほどの工程を経て、美しい作品が生まれます。職人の技が映しだされた東京手描友禅を間近で見たいなら、「中野区伝統工芸展」へ。

熊澤吉治プロフィル
1951年中野生まれ。父・祐雄の後を継ぎ、東京手描友禅の職人に。中野区伝統工芸保存会会長。平成22年度東京都優秀技能者(東京マイスター)知事賞受賞

「中野区伝統工芸展」
伝統工芸展は区内在住の伝統工芸職人が匠の技を実演し、使う程に美しさと愛着の増す工芸品の魅力の数々を紹介する催しです。毎年6月上旬に開催されています。
「中野区伝統工芸保存会」は、中野区在住の伝統工芸職人の団体。長年、伝統の技術を守り続けてきた16業種26人の会員で構成されています。