渋い味わいと気品の江戸組紐・福島泰久さん

縄文時代には土器の文様に、平安時代には貴族の装束に、鎌倉時代には鎧兜の緒に、江戸時代には武士の刀に、明治時代からは着物の帯締めに…。
人の手による「組紐(くみひも)」は、伝統とともに時代を組む、長い歴史を誇る伝統工芸品です。
徳川幕府開設後、江戸に武具の需要として組紐の生産が盛んになりました。その後、しだいに武士から一般庶民も使用するようになり、実用的なものから、華美・精巧なものが作られました。
一方、幕府の禁令により、地味な中にも粋を好む気風が流行しました。この渋い味わいと気品の高さが、京に対する江戸組紐の源流となったのです。

福島泰久プロフィル
1933年東京都生まれ。機械組みが主流になりつつある江戸組紐業界の中で、かたくなに手組みにこだわる。大正時代から続く東京で唯一の老舗の江戸組紐職人。2003年に東京都知事賞受賞。2006年に東京都伝統士認定。京都伝統工芸士。東京都伝統工芸技術保存連合会会員

「中野区伝統工芸展」
伝統工芸展は区内在住の伝統工芸職人が匠の技を実演し、使う程に美しさと愛着の増す工芸品の魅力の数々を紹介する催しです。毎年6月上旬に開催されています。
「中野区伝統工芸保存会」は、中野区在住の伝統工芸職人の団体。長年、伝統の技術を守り続けてきた16業種26人の会員で構成されています。