「用の美」を目指して作り続ける、竹細工・齋藤敏さん

「竹細工の仕事は、材料作り7割、編み3割なんですよ」と、齋藤さん。まず素材の竹を編みやすくするために加工。幅も厚みも均一な材料となる竹ひごを作ることが重要で、その材料が思うように作れたら美しい仕上がりになる、ということなのだそうです。
昔から日本人の暮らしで愛用されている竹細工。自然素材の真竹(マタケ)からひとつずつ手作りされている伝統工芸品です。斉藤さんは20年以上前に、定年後もずっとできる仕事を探して木工をはじめました。しかしタケノコからたった2年で材料になる竹の魅力に気づき竹細工の道へ。転勤で全国を回るうち、各地の竹細工に触れながら腕を磨き続けました。特に日本の竹細工の聖地ともいえる大分・別府での経験は大きかったそうです。
制作のときに心にあるのは「用の美」ということ。職人による誠実な手仕事を「民藝」と名づけ、豊かな日本文化を残すために尽力した思想家の柳宗悦氏が提唱した概念であり造語です。機能的でありながら、手にして、見て、心を満たしてくれる美しさを持つ作品を目指して仕事をしています。
今回の「中野区伝統工芸展」では、齋藤さんの竹細工の実演も行われます。ぜひ見学に行ってみて!
竹細工斎藤sann
齋藤敏さんプロフィル
41歳のときに木工をはじめるも、いつのまにか竹細工の職人に。もうすぐリタイアする仕事とのダブルワーカー。
「中野区伝統工芸展」
伝統工芸展は区内在住の伝統工芸職人が匠の技を実演し、使う程に美しさと愛着の増す工芸品の魅力の数々を紹介する催しです。毎年6月上旬に開催されています。
「中野区伝統工芸保存会」は、中野区在住の伝統工芸職人の団体。長年、伝統の技術を守り続けてきた16業種26人の会員で構成されています。

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